公式の旗はフランス三色旗。でも非公式の旗は、赤地に白い四角、その中に赤い斜め十字、左上にフランス国旗というデザインです。ウォリス・フツナの旗、南太平洋にあるフランス海外準県の旗です。フランスは共和国なのに、この島には今も3人の王がいます。世界でも珍しい「共和国の中の王国」の1枚。今回はそんなウォリス・フツナ旗の話です。
まずは構成のおさらい
公式旗
公式の旗はフランス国旗で、青・白・赤の縦三色です。
非公式の地域旗
非公式の地域旗、ウォリス・フツナ地域旗の構成は、次のとおりです。
- 赤地:全体の背景
- 中央の白い四角:その中に赤い斜め十字(または大きな白い十字)
- 左上:フランス国旗(白い縁取り)
色とシンボルの意味は、以下のとおりです。
- 赤:強さ・権威・伝統的なリーダーシップ、ポリネシアのアイデンティティ
- 白い十字/四角:3つの王国、キリスト教の信仰と島の統一
- フランス国旗:フランス海外準県としての地位
赤地に白い十字、左上にフランス国旗。南太平洋のフランス領の旗です。
「共和国なのに、3人の王がいる」
ウォリス・フツナの、世界でも珍しい特徴を見ていきます。
3つの伝統的王国
ウォリス・フツナには、3つの王国があります。ウォリス島のウベア王国(Uvea)、フツナ島のアロ王国(Alo)、そして同じくフツナ島のシガベ王国(Sigave)です。
フランス共和国の中の王たち
そして、驚きの事実があります。フランスは共和国ですが、ウォリス・フツナには今も3人の伝統的な王がいるのです。王たちは、フランスの行政官と並んで権威を持っています。
共和国フランスの中に、3つの王国が存在する。世界でも稀な政治制度です。
旗のシンボルとの関係
旗の白い十字/四角は、この構成を象徴しています。3つの王国の地理的な分割を表すとされ、3人の現地の王とフランスの行政官を表すとも言われます。白い十字は、キリスト教の信仰と島の統一も意味します。
公式ではないが、使われている
ウォリス・フツナ旗の地位を見ていきます。
公式はフランス国旗
公式の旗は、フランス国旗です。
しかし地域を代表して使われる
そして事実上の地域旗として使われています。太平洋競技大会(パシフィックゲームズ)などで、ウォリス・フツナを代表して掲げられるのです。法的な公式の地位はないものの、事実上の地域シンボルとなっています。
正式採用ではないが、スポーツの場で島を代表する旗。他の多くのフランス領と同じパターンです。
ウォリス・フツナという領土
ウォリス・フツナの基本情報です。
- 正式名:ウォリス・フツナ(Wallis-et-Futuna)
- 首都:マタウツ(Mata-Utu、ウォリス島)
- 面積:約142km²
- 人口:約1.1万人
- 公用語:フランス語(ウォリス語・フツナ語も使われます)
- 法的地位:フランスの海外準県(海外共同体)
「フィジーとサモアの間」
ウォリス・フツナは、南太平洋のポリネシアにあります。フィジーとサモアの間に位置し、最も遠いフランス領の1つです。
「探検家ウォリスの名」
島の名「ウォリス」は、イギリスの探検家にちなみます。サミュエル・ウォリス(Samuel Wallis)です。イギリス人探検家の名が、フランス領の島についているのです。
「カトリックの島」
ウォリス・フツナの文化を見てみます。住民の大半がカトリックで、伝統的なポリネシア文化とカトリックが共存しています。王・首長制も、今なお生きています。
まとめ:3人の王がいる、南太平洋の島
今回のウォリス・フツナ旗のまとめです。
- 公式の旗はフランス三色旗
- 非公式の地域旗は、赤地に中央の白い四角と赤い斜め十字(または大きな白い十字)、左上にフランス国旗
- 赤は強さ・権威・伝統的リーダーシップ・ポリネシアのアイデンティティ
- 白い十字/四角は3つの王国・キリスト教の信仰と島の統一
- フランスは共和国だが、ウォリス・フツナには今も3人の伝統的な王がいる(ウベア・アロ・シガベ王国)
- 王たちはフランスの行政官と並んで権威を持つ
- 公式はフランス国旗だが、太平洋競技大会などで事実上の地域旗として使われる
- フィジーとサモアの間、最も遠いフランス領の1つ
- 島の名はイギリスの探検家サミュエル・ウォリスにちなむ
- 住民の大半がカトリック、伝統的ポリネシア文化と共存
- 面積約142km²、人口約1.1万人、首都マタウツ
共和国なのに、3人の王がいる島。ウォリス・フツナの旗は、フランスの中に生きる3つの王国を、赤地の白い十字に込めた1枚です。