青地にユニオン・ジャック、右側に王冠を載せた南十字星。ビクトリア州の旗です。オーストラリア南東部、メルボルンを擁する州の旗で、南十字星を公式の旗に掲げた、オーストラリア最初の州でもあります。しかも、最初に軍艦を持った州だから旗が必要になった、という成り立ちの1枚。今回はそんなビクトリアの旗の話です。
まずは構成のおさらい
ビクトリア旗の構成は、次のとおりです。
- 背景:青(ブルー・エンサイン)
- 左上のカントン:ユニオン・ジャック
- 右側(フライ側):王冠(聖エドワード王冠)と、南十字星(5つの白い星)
色とシンボルの意味は、以下のとおりです。
- 南十字星:南半球・オーストラリア
- 王冠:クイーン・ヴィクトリア(州名の由来)とイギリスとの結びつき
南十字星に王冠を載せた、オーストラリアの州旗です。
「オーストラリア初の、公式の南十字星の旗」
ビクトリア旗の、歴史的な意義を見ていきます。
1870年、最初の州の旗
1870年2月4日、ビクトリア植民地が独自の記章を採択しました。これが、オーストラリアの植民地で最初の、公式の旗(南十字星の記章)です。なお、1851年の反流刑同盟旗や1854年のユーレカ旗など、南十字星を掲げた旗自体はそれ以前にもありましたが、植民地の公式な旗として南十字星を掲げたのは、ビクトリアが最初でした。
軍艦を持ったから旗が必要に
なぜビクトリアが最初だったのか。意外な理由があります。ビクトリアは、オーストラリアの植民地で最初に軍艦を持ちました。そのため、自国の船を他のイギリス船と区別する旗が必要になったのです。1870年2月9日、この旗は軍艦HMVSネルソンに初めて掲げられました。軍艦を持ったから旗が必要になり、オーストラリアで最初の公式の州旗になった。海ならではの成り立ちです。
「南十字星」 ── 明るさを星の角の数で
ビクトリア旗の、主役の星を見ていきます。
5つの星
南十字星は、南半球で見える星座です。オーストラリア国旗にも描かれる、南の空の象徴です。
角の数が違う
そして、細やかな工夫があります。5つの星は、角の数が5〜8本とそれぞれ違います。この角の数の違いは、星座のなかでの星の明るさ(等級)の違いを表しています。明るい星ほど角が多いという、天文学的なこだわりのデザインです。
「クイーン・ヴィクトリアの州」
ビクトリア旗の、王冠の意味を見ていきます。州の名「ビクトリア」は、クイーン・ヴィクトリア(ヴィクトリア女王)にちなみます。旗の王冠は、その女王とイギリスとの結びつきを表します。1877年に、現在の白い円の上に王冠を載せたデザインになりました。
ビクトリアという地域
ビクトリアの基本情報です。
- 正式名:ビクトリア州(Victoria)
- 州都:メルボルン(Melbourne)
- 面積:約23.7万km²
- 人口:約710万人
- 公用語:英語
- 法的地位:オーストラリアの州
「メルボルンとゴールドラッシュ」
ビクトリアは、19世紀のゴールドラッシュ(バララット・ベンディゴ)で発展しました。メルボルンは、文化・スポーツの街として知られます。
「グレート・オーシャン・ロード」
グレート・オーシャン・ロードや、十二使徒(海の奇岩)でも有名です。
まとめ:南十字星に王冠、ビクトリア
今回のビクトリア旗のまとめです。
- 青地(ブルー・エンサイン)+左上のユニオン・ジャック+右側に王冠(聖エドワード王冠)を載せた南十字星
- 南十字星=南半球・オーストラリア、王冠=クイーン・ヴィクトリア(州名の由来)とイギリス
- 1870年2月4日、ビクトリア植民地が独自の記章を採択(植民地の公式旗として南十字星を掲げたオーストラリア最初の州)
- 1851年の反流刑同盟旗・1854年のユーレカ旗など、南十字星の旗自体はそれ以前にもあった
- ビクトリアは最初に軍艦を持った植民地で、自国船を区別する旗が必要になった
- 1870年2月9日、軍艦HMVSネルソンに初掲揚
- 南十字星の星の角は5〜8本とそれぞれ違い、星座のなかでの明るさの違いを表す
- 州名「ビクトリア」はクイーン・ヴィクトリアにちなみ、王冠は女王とイギリスとの結びつき
- 1877年に白い円の上に王冠を載せた現在のデザインに
- 19世紀のゴールドラッシュ(バララット・ベンディゴ)で発展、メルボルンは文化・スポーツの街
- グレート・オーシャン・ロード、十二使徒
- 面積約23.7万km²、人口約710万人、州都メルボルン
南十字星に王冠を載せて。ビクトリアの旗は、南十字星を公式の旗に掲げたオーストラリア最初の州の、海と女王の記憶を込めた1枚です。