黄色地に4本の赤い帯、旗竿側に王冠を戴く青い帯。バレンシアの旗、レイアル・セニェーラ(王の旗)です。スペイン東部、地中海岸の自治州の旗です。4本の赤帯は、おなじみアラゴンの旗。そこに青と王冠を足したのがバレンシア版です。アラゴン・カタルーニャ・バレアレス諸島に続く、「4本帯ファミリー」の最後の1つです。今回はそんなバレンシアの旗の話です。
まずは構成のおさらい
バレンシア旗の構成は、次のとおりです。
- 地と帯:黄色地に4本の赤い帯(セニェーラ)
- 旗竿側:王冠を戴く青い帯
色とシンボルの意味は、以下のとおりです。
- 4本の赤帯:アラゴン連合王国とのつながり
- 青い帯と王冠:バレンシアの王の特権と自治
4本の赤帯に、王冠付きの青帯を足したという、アラゴンの旗にバレンシアらしさを足した1枚です。
「4本帯ファミリーの最後の1つ」
バレンシア旗の、位置づけを見ていきます。
アラゴンの4本帯
黄色地の4本の赤帯は、おなじみのパターンです。アラゴン連合王国の王の紋章「4本棒」に由来し、アラゴン・カタルーニャ・バレアレス諸島・バレンシアの4つの自治州が共有しています。
はたログで追ってきた「4本の赤帯」。アラゴン(本家)・カタルーニャ・バレアレス諸島に続いて、これでバレンシアまで揃いました。4本帯ファミリーの完結です。
バレンシア版の目印は青と王冠
ほかの3つと違うのは、旗竿側の青帯と王冠です。旗竿側に、王冠を戴く青い帯が加わります。これがバレンシアの旗の目印です。
「王冠付きの青帯」 ── 忠誠への褒美
バレンシア旗の、青帯の由来を見ていきます。
ハイメ1世の征服
1238年、アラゴン王ハイメ1世がムーア勢力からバレンシアを征服し、セニェーラを与えたと伝わります。これに関する最古の史料は、1377年のものです。
忠誠と勇気への褒美
そして、青帯と王冠の意味です。アラゴン王ペーター4世が、カスティーリャとの戦い(二人のペドロの戦争)などでバレンシア人が示した忠誠と勇気を称え、王冠などを授けました。青帯と王冠は、その王の特権と自治の象徴です。
王への忠誠が、青い帯と王冠という褒美になった。それが、この旗の由来です。
アイデンティティの象徴にも
この青帯には、現代の側面もあります。バレンシアとカタルーニャのアイデンティティをめぐる議論のなかで、カタルーニャの旗との違いを示すものとして強調されてきた経緯があります(諸説あり、ここでは中立に記述します)。そして1982年7月1日に、現在の旗として採択されました。
バレンシアという地域
バレンシアの基本情報です。
- 正式名:バレンシア州(Comunitat Valenciana)
- 州都:バレンシア(València)
- 面積:約2.3万km²
- 人口:約500万人
- 公用語:スペイン語・バレンシア語
- 法的地位:スペインの自治州
「パエリアの故郷」
バレンシアは、世界的に有名な食の地です。パエリアはバレンシア発祥で、米と地中海の幸を使った料理です。
「火祭りと未来都市」
バレンシアには、ほかにも見どころがあります。春の火祭りラス・ファリャス、近未来的な芸術科学都市、そしてオレンジの産地として知られています。
まとめ:4本の赤帯と王冠付きの青帯、バレンシア
今回のバレンシア旗のまとめです。
- 黄色地に4本の赤い帯+旗竿側に王冠を戴く青い帯(レイアル・セニェーラ=王の旗)
- 4本の赤帯=アラゴン連合王国の「4本棒」、アラゴン・カタルーニャ・バレアレス諸島・バレンシアの4自治州が共有
- これで「4本帯ファミリー」がはたログで完結(本家アラゴン+3つ)
- バレンシア版の目印は旗竿側の王冠付きの青帯
- 1238年、アラゴン王ハイメ1世がムーア勢力から征服しセニェーラを与えたと伝わる(最古の史料は1377年)
- 青帯と王冠は、ペーター4世がバレンシア人の忠誠と勇気を称えて授けた特権と自治の象徴
- 青帯はカタルーニャの旗との違いを示すものとして強調されてきた経緯も(諸説あり、中立に記述)
- 1982年7月1日に現在の旗として採択
- パエリア発祥の地、春の火祭りラス・ファリャス、芸術科学都市、オレンジの産地
- 面積約2.3万km²、人口約500万人、州都バレンシア
4本の赤帯に、王冠付きの青帯を足して。バレンシアの旗は、アラゴンの記憶と、王への忠誠の褒美を1枚に重ねた、4本帯ファミリーの最後の旗です。