赤地に、黄色い北欧十字。スコーネの旗です。スウェーデン最南端、デンマークのコペンハーゲンと海を挟んで向き合う地域の旗で、赤はデンマーク国旗、黄色い十字はスウェーデン国旗を思わせます。かつてこの地を奪い合った2つの国の色を、1枚に合わせた旗。今回はそんなスコーネの旗の話です。
まずは構成のおさらい
スコーネには、2つの旗があります。
- スコーネ十字旗:赤地に黄色い北欧十字
- 紋章旗:金(黄)地に、赤いグリフィンの頭
色とシンボルの意味は、以下のとおりです。
- 赤:デンマーク国旗の赤
- 黄色い十字:スウェーデン国旗の黄色い十字
- 赤いグリフィン:スコーネの伝統的な紋章
赤地に黄色い北欧十字、または金地に赤いグリフィン。2つの顔を持つ地域です。
「デンマークとスウェーデン、両方の色」
スコーネ旗の、最も大切な物語を見ていきます。
赤=デンマーク、十字=スウェーデン
スコーネ十字旗は、2つの国の色を組み合わせた旗です。赤地はデンマーク国旗(ダンネブロー)の赤、黄色い十字はスウェーデン国旗の黄色い十字で、この地域の複雑な歴史を映しています。
かつてデンマーク領だった
なぜ2つの国の色なのか。それはスコーネの歴史にあります。スコーネは、長くデンマーク王国の中心的な一部でしたが、1658年、戦争の結果スウェーデン領になりました。デンマークが手放し、スウェーデンが得た地。その両方の色を1枚に合わせたのが、この旗です。フェロー諸島やオーランド諸島とも並ぶ、北欧十字旗ファミリーの一員でもあります。
「赤いグリフィン」 ── もう1つの顔
スコーネ旗の、もう1つのシンボルを見ていきます。
伝統的な紋章
スコーネには、金地に赤いグリフィンの頭を描いた、もう1つの旗(紋章旗)があります。グリフィンは、ワシとライオンが合わさった伝説の生き物です。1660年、スコーネに紋章が与えられたとき、赤と黄の色が定まりました。
1902年・1999年 ── 旗の制定
スコーネ旗が定まるまでの歴史を見ていきます。現在の北欧十字旗は、1902年に北欧の十字旗の伝統にもとづいて作られました。十字旗は、ルンドのデンマーク大司教の紋章に由来するという説もあります(諸説あり)。その後、1997年に2つの県が統合してスコーネ県が誕生し、1999年にスコーネ地域(Region Skåne)が発足したのにあわせて、スコーネの旗が公式の地域旗になりました。
スコーネという地域
スコーネの基本情報です。
- 正式名:スコーネ(Skåne、英語:Scania)
- 主要都市:マルメ(Malmö)・ルンド(Lund)
- 公用語:スウェーデン語(スコーネ方言も)
- 法的地位:スウェーデンの地域(県)
「デンマークと橋でつながる」
スコーネは、デンマークのすぐ隣にあります。オーレスン海峡を挟んでデンマークのコペンハーゲンと向き合い、オーレスン橋でマルメとコペンハーゲンが結ばれています。かつてデンマーク領だったスコーネは、今も橋でデンマークとつながっているのです。
「スウェーデンの穀倉」
平らで肥沃なスコーネは、スウェーデンの農業の中心地です。
まとめ:デンマークの赤とスウェーデンの十字、スコーネ
今回のスコーネ旗のまとめです。
- 2つの旗:赤地に黄色い北欧十字(スコーネ十字旗)と、金地に赤いグリフィンの頭(紋章旗)
- 赤=デンマーク国旗の赤、黄色い十字=スウェーデン国旗の黄色い十字
- スコーネは長くデンマーク王国の一部だったが、1658年の戦争の結果スウェーデン領に
- だから両方の国の色を1枚に合わせている(国境の地の旗)
- フェロー諸島・オーランド諸島と並ぶ北欧十字旗ファミリーの一員
- 赤いグリフィン=スコーネの伝統的な紋章(ワシとライオンの伝説の生き物)、1660年に色が定まる
- 北欧十字旗は1902年に作られ、ルンドのデンマーク大司教の紋章由来説も(諸説あり)
- 1997年に2県が統合してスコーネ県が誕生、1999年のスコーネ地域(Region Skåne)発足で公式の地域旗に
- オーレスン海峡を挟んでデンマークのコペンハーゲンと向き合い、オーレスン橋でつながる
- スウェーデンの農業の中心地、主要都市マルメ・ルンド
デンマークの赤と、スウェーデンの十字。スコーネの旗は、2つの国に奪い合われた歴史を、両方の色を合わせた北欧十字に込めた1枚です。