緑・白・緑の縦3本帯、中央に1本の松の木。ノーフォーク島の旗です。太平洋に浮かぶオーストラリアの自治領の旗で、この松はノーフォークマツ、観葉植物として世界中で親しまれる島固有の木です。そしてカナダ国旗にそっくりな配色でもある1枚。今回はそんなノーフォーク島旗の話。


まずは構成のおさらい

ノーフォーク島旗の構成は、次のとおりです。

  • 縦3本の帯:緑・白・緑
  • 中央の白い帯:緑のノーフォークマツ

色とシンボルの意味は、以下のとおりです。

  • :島の豊かな植生と肥沃な大地
  • :人々と自然の平和と調和
  • ノーフォークマツ:島固有の木であり、島の自然遺産の象徴

カナダ国旗の松バージョン。覚えやすい1枚です。


「カナダ国旗にそっくり」

ノーフォーク島旗の、最も有名な特徴を見ていきます。

同じレイアウト

カナダ国旗とノーフォーク島旗は、同じ構成をしています。

カナダノーフォーク島
両端の帯
中央
中央の絵カエデの葉ノーフォークマツ

カナダの赤がノーフォークでは緑に、カエデが松に。よく似た縦3分割デザインです。

「国の木を真ん中に」

両者には共通点があります。国や地域を象徴する植物を中央に置いている点です。カナダはサトウカエデ、ノーフォークはノーフォークマツ。どちらも植物を旗の主役にした、数少ない旗の仲間です。


「ノーフォークマツ」 ── 世界中の観葉植物

ノーフォーク島旗の主役を見ていきます。

島固有の木

中央に描かれているのが、ノーフォークマツ(Araucaria heterophylla)です。ノーフォーク島固有の木で、島の公式の木でもあります。まっすぐ伸びる円錐形の樹形が特徴です。

世界中で親しまれる

そして、意外な世界的人気を持っています。観葉植物やクリスマスツリーとして世界中で栽培されており、島の名前が世界中の鉢植えになっているのです。

国旗の松が、世界中の家庭やオフィスに。身近な繋がりです。


1980年 ── 自治領の旗

ノーフォーク島旗の制定について見ていきます。

1979年、限定的自治

1979年、ノーフォーク島が限定的な自治を獲得しました。1979年6月6日、ノーフォーク島準州の旗が制定されています。

1980年1月17日、正式採択

そして1980年1月17日、正式に採択されました。オーストラリアの海外領土として、独自の旗を持ったのです。地域の自治と誇りの象徴となりました。


ノーフォーク島という領土

ノーフォーク島の基本情報です。

  • 正式名:ノーフォーク島(Norfolk Island)
  • 首都:キングストン(Kingston)
  • 面積:約35km²
  • 人口:約2,200人
  • 公用語:英語・ノーフォーク語
  • 法的地位:オーストラリアの海外領土

「バウンティ号の反乱者の子孫」

ノーフォーク島には、ドラマチックな歴史があります。1856年、バウンティ号の反乱の反乱者の子孫が、ピトケアン島から移住してきました。映画にもなった『戦艦バウンティ号の叛乱』の反乱者の末裔が暮らす島です。

反乱者の子孫が築いた島の共同体。世界でも珍しい成り立ちです。

「ノーフォーク語」

そして、独特の言語があります。ノーフォーク語(Norf'k)です。英語とタヒチ語が混ざった言語で、バウンティ号の反乱者(英語)とタヒチ人女性の子孫が話します。ユネスコが消滅危機言語に指定しています。

「流刑地の暗い歴史」

ノーフォーク島には、もう1つの歴史があります。19世紀、イギリスの最も過酷な流刑地の1つだったのです。再犯者を送る、地獄のような流刑地と呼ばれました。キングストンの旧監獄群は、世界遺産(オーストラリアの囚人遺跡群)になっています。

「キャプテン・クックが命名」

ノーフォーク島の発見についてです。1774年、ジェームズ・クックが到達し、ノーフォーク公爵夫人にちなんで命名しました。


まとめ:真ん中に1本の松、太平洋の島

今回のノーフォーク島旗まとめ。

  • 緑・白・緑の縦3本帯+中央にノーフォークマツ
  • 緑=豊かな植生と肥沃な大地、白=人々と自然の平和と調和
  • ノーフォークマツ=島固有の木、島の公式の木
  • カナダ国旗にそっくりな構成(赤→緑、カエデ→松)
  • 植物を旗の主役にした数少ない旗
  • ノーフォークマツは観葉植物・クリスマスツリーとして世界中で栽培
  • 1979年、限定的自治を獲得、6月6日に旗を制定
  • 1980年1月17日、正式採択(地域の自治と誇りの象徴)
  • 1856年、バウンティ号の反乱者の子孫がピトケアン島から移住
  • ノーフォーク語(英語とタヒチ語が混ざった消滅危機言語)
  • 19世紀はイギリスの最も過酷な流刑地の1つ、旧監獄群は世界遺産
  • 1774年、ジェームズ・クックが到達、ノーフォーク公爵夫人にちなみ命名
  • 面積約35km²、人口約2,200人、首都キングストン

真ん中に、島を象徴する1本の松。ノーフォーク島の旗は、太平洋に浮かぶ反乱者の子孫の島を、世界中で愛される固有の木に込めた1枚です。