緑地に、白い蓮の花、その下に橋と水、上に5つの金の星。マカオの旗、中国の特別行政区の旗です。香港と並ぶ「一国二制度」の地であり、カジノで知られる「東洋のラスベガス」でもあります。1993年に中国がデザインを決め、1999年のポルトガルからの返還時に初掲揚された1枚です。今回はそんなマカオ旗の話です。
まずは構成のおさらい
マカオ旗の構成は、次のとおりです。
- 背景:エメラルドグリーン
- 中央:白い蓮の花
- 蓮の下:橋と水
- 上部:5つの金の五芒星(アーチ状に配置)
色とシンボルの意味は、以下のとおりです。
- 緑:マカオの豊かな自然、貿易と観光の活気
- 白い蓮:純粋さと再生(3枚の花弁はマカオの3地域)
- 橋:ノブレ・デ・カルヴァーリョ橋(マカオ半島とタイパ島を結ぶ)
- 水:港湾都市としてのマカオ
- 5つの星:中国国旗と同じで、中国との関係を象徴
蓮と橋と星を配した、東アジアの特別行政区の緑の旗です。
「蓮の花」 ── マカオの象徴
マカオ旗の、中心的なシンボルを見ていきます。
蓮 ── マカオの花
中央に描かれているのが、白い蓮の花です。純粋さと再生の象徴であり、マカオを象徴する花でもあります。蓮は、マカオの市花なのです。
3枚の花弁 ── 3つの地域
蓮には、3枚の主要な花弁があります。これはマカオ半島(Macau Peninsula)、タイパ島(Taipa)、コロアネ島(Coloane)という、マカオを構成する3つの地域を表しています。蓮の3枚の花弁がマカオの3地域を表す、地理を花に込めたデザインです。
「橋と星」 ── 半島と中国
マカオ旗の、その他のシンボルを見ていきます。
ノブレ・デ・カルヴァーリョ橋
蓮の下に描かれているのが橋です。これはノブレ・デ・カルヴァーリョ橋(Governador Nobre de Carvalho Bridge)で、マカオ半島とタイパ島を結ぶ、マカオを代表するランドマークです。その下の水は、港湾都市マカオを表しています。
5つの星 ── 中国
上部に描かれているのが、5つの金の星です。これは中国国旗の5つの星と同じで、マカオが中国の一部であることを象徴しています。香港旗の5枚の花びらと同じく、中国の星を反映したものです。橋がマカオの地理を、星が中国との関係を表す。この旗には、2つのアイデンティティが込められています。
1993年・1999年 ── 返還と旗
マカオ旗の制定史を見ていきます。
1993年3月31日、デザイン決定
1993年3月31日、中国の全国人民代表大会がデザインを決定しました。返還の6年前のことです。デザイナーは肖紅(シャオ・ホン)教授で、約1000のデザイン案から選ばれました。
1999年12月20日、ポルトガルから返還
そして1999年12月20日、マカオはポルトガルから中国へ返還されました。約400年に及ぶポルトガル統治の終了です。1997年にイギリスから返還された香港に続く返還であり、この日、マカオ旗が初めて掲揚されました。1997年の香港(イギリスから)、1999年のマカオ(ポルトガルから)という、20世紀末の2つの返還です。
マカオという領土
マカオの基本情報です。
- 正式名:マカオ特別行政区(Macao Special Administrative Region、澳門)
- 面積:約33km²
- 人口:約68万人
- 公用語:中国語・ポルトガル語
- 法的地位:中華人民共和国の特別行政区
「一国二制度」
マカオは、香港と並ぶ「一国二制度」の地です。中国の一部でありながら独自の制度を持ち、独自の通貨マカオ・パタカを使用しています。返還から50年にあたる2049年まで、高度な自治が保証されています。
「東洋のラスベガス」
マカオには、世界的に有名な産業があります。カジノです。世界最大のカジノ都市であり、その収益はラスベガスを超えます。「東洋のラスベガス」と呼ばれ、GDPの大半を観光・ギャンブル業が占めています。
「400年のポルトガル文化」
マカオには、独特の文化があります。約400年に及んだポルトガル統治の名残です。世界遺産「マカオ歴史地区」や、聖ポール天主堂跡(大三巴牌坊)があり、ポルトガル発祥のエッグタルトも名物です。東洋と西洋が融合した街として知られています。
「人口密度世界一」
マカオは、世界で最も人口密度が高い地域の1つです。約33km²の土地に約68万人が暮らし、世界一人口密度が高い地域とも言われます。
まとめ:蓮と橋と星、東洋のラスベガス
今回のマカオ旗のまとめです。
- エメラルドグリーンの地に、白い蓮の花、下に橋と水、上に5つの金の星
- 緑はマカオの自然・貿易と観光、白い蓮は純粋さと再生(市花)
- 蓮の3枚の花弁はマカオ半島・タイパ島・コロアネ島
- 橋はノブレ・デ・カルヴァーリョ橋(マカオ半島とタイパ島を結ぶ)
- 水は港湾都市マカオ、5つの星は中国国旗と同じ(中国との関係)
- 1993年3月31日、中国の全国人民代表大会がデザイン決定
- デザイナーは肖紅(シャオ・ホン)教授、約1000案から選出
- 1999年12月20日、ポルトガルから中国へ返還(約400年の統治終了)、旗を初掲揚
- 香港(1997年、イギリス)に続く返還
- 中国の特別行政区、「一国二制度」、独自通貨マカオ・パタカ
- 「東洋のラスベガス」世界最大のカジノ都市
- 世界遺産「マカオ歴史地区」、聖ポール天主堂跡、エッグタルト
- 世界一人口密度が高い地域の1つ、面積約33km²、人口約68万人
蓮と橋と星の、緑の旗。マカオの旗は、マカオの地理と、中国の一部であることを、東西融合の街のシンボルに込めた1枚です。