中国の赤い地に、白い5枚の花びらの花、各花びらに赤い星。香港の旗です。中国の特別行政区の旗で、この花はバウヒニア(洋紫荊、香港蘭)、香港を象徴する花です。1997年、イギリスから中国へ返還された深夜0時に初めて掲げられた1枚。今回はそんな香港旗の話。
まずは構成のおさらい
香港旗の構成は、次のとおりです。
- 背景:中国の赤
- 中央:白いバウヒニアの花(5枚の花びら)
- 各花びら:赤い星+赤い筋
色とシンボルの意味は、以下のとおりです。
- 赤:中国本土との繋がり、祖国・祝祭の色
- 白いバウヒニア:香港そのもの
- 5つの星:中国国旗の5つの星と同じ
- 赤と白の組み合わせ:一国二制度
赤い祖国に抱かれた、白い香港の花。返還の象徴を込めた1枚です。
「バウヒニア」 ── 香港の花
香港旗の主役を見ていきます。
香港を象徴する花
中央に描かれているのが、バウヒニア(Bauhinia × blakeana、洋紫荊)です。香港の伝統的なシンボルで、植民地時代の切手やコインにも描かれていました。
実は不思議な花
バウヒニアには、興味深い秘密があります。1880年頃、香港島で発見された交雑種で、種子をつけない不稔の木のため、挿し木でしか増えません。学名は、当時の香港総督ヘンリー・ブレイクにちなんでつけられました。
香港中のバウヒニアは、すべて1本の木のクローン。不思議な事実です(諸説あり)。
「赤と白、5つの星」 ── 一国二制度
香港旗のシンボルの意味を見ていきます。
赤=祖国、花=香港
赤い旗は祖国(中国本土)を、バウヒニアは香港を表します。香港は中国の不可分の一部であり、祖国の抱擁のなかで繁栄するという意味です。
5つの星
花びらには、5つの赤い星があります。これは中国国旗の5つの星と同じで、すべての香港同胞が祖国を愛することの象徴です。マカオ旗の星と同じく、中国の星を反映しています。
赤と白=一国二制度
赤と白の2色は、「一国二制度」の原則を体現しています。
赤は中国、白は香港、それが一つの旗に。返還のメッセージです。
1987-1997年 ── 公募から返還へ
香港旗の制定史を見ていきます。
1987年、公募
1987年、新しい旗と紋章の公募が行われました。香港の地位と特徴、「一国二制度」の精神を反映するものが求められ、7,000以上の応募がありました。
1990年・1996年、デザイン確定
1990年4月4日、全国人民代表大会で原案が発表されました。続いて1996年8月10日、香港特別行政区準備委員会で現デザインが承認されています。
1997年7月1日、返還の深夜に初掲揚
そして1997年7月1日、イギリスから中国へ返還されました。深夜0時を数秒過ぎた瞬間、返還式典で初めて掲げられ、約150年のイギリス統治が終了したのです。
マカオ(1999年、ポルトガル)に先立つ、香港の返還(1997年、イギリス)。20世紀末の歴史的瞬間です。
香港という領土
香港の基本情報です。
- 正式名:香港特別行政区(Hong Kong Special Administrative Region)
- 面積:約1,100km²
- 人口:約740万人
- 公用語:中国語(広東語)・英語
- 法的地位:中華人民共和国の特別行政区
「一国二制度」
香港は、マカオと並ぶ「一国二制度」の地です。中国の一部でありながら独自の制度を持ち、通貨も独自の香港ドルを用います。1997年の返還から50年(2047年まで)、高度な自治が保証されました。
「アジアの金融センター」
香港は、世界的な地位を持ちます。アジア有数の国際金融センターであり、ビクトリア・ハーバーの摩天楼で知られる、東洋と西洋が交わる国際都市です。
「政治をめぐる議論」
香港には、政治的に繊細な話題もあります。近年、香港の自治や政治をめぐってさまざまな議論・出来事がありました。バウヒニアの旗が、政治的な象徴として語られることもあります。政治的背景や社会情勢の変化については、国際的にも多様な評価や議論が存在し、現在も注視されています。評価は政治的立場で大きく分かれます(諸説あり)。
「人口密度と100万ドルの夜景」
香港には、特徴的な顔もあります。世界有数の人口密度を持ち、高層ビルが密集しています。ビクトリア・ハーバーの夜景は、「100万ドルの夜景」と呼ばれます。
まとめ:赤地に白い花、返還の旗
今回の香港旗まとめ。
- 中国の赤い地+中央に白いバウヒニアの花(5枚の花びら)+各花びらに赤い星
- 赤=中国本土・祖国・祝祭、白いバウヒニア=香港
- 5つの星=中国国旗と同じ(香港同胞が祖国を愛する象徴)
- 赤と白の2色=「一国二制度」の原則
- バウヒニアは1880年頃に香港島で発見された不稔の交雑種(挿し木でしか増えない、諸説あり)
- 学名は当時の総督ヘンリー・ブレイクにちなむ
- 1987年に公募、7,000以上の応募
- 1990年4月4日に原案発表、1996年8月10日に現デザイン承認
- 1997年7月1日、イギリスから中国へ返還、深夜0時直後に初掲揚(約150年の統治終了)
- マカオ(1999年)に先立つ返還
- 中国の特別行政区、「一国二制度」、独自通貨香港ドル、2047年まで高度な自治
- アジア有数の国際金融センター、ビクトリア・ハーバー、100万ドルの夜景
- 政治をめぐる議論があり評価は立場で分かれる(諸説あり)
- 面積約1,100km²、人口約740万人
赤い祖国に抱かれた、白い香港の花。香港の旗は、1997年の返還と「一国二制度」を、香港を象徴する不思議な花に込めた1枚です。