上にユニオン・ジャックと王冠、下に波打つ青と白の線と、沈む太陽。ブリティッシュコロンビアの旗です。カナダ最西端、太平洋に面した州の旗で、最初のデザインが「大英帝国に沈む太陽」と受け取られてしまい、慌てて上下を反転させたという逸話を持っています。今回はそんなブリティッシュコロンビアの旗の話です。
まずは構成のおさらい
ブリティッシュコロンビア旗の構成は、次のとおりです。
- 上部:ユニオン・ジャックと、中央の王冠
- 下部:波打つ白4本・青3本の線と、金色の太陽
色とシンボルの意味は、以下のとおりです。
- ユニオン・ジャック:イギリスの遺産
- 王冠:イギリスの王領植民地になったこと
- 波の線:太平洋とロッキー山脈の間という位置
- 沈む太陽:カナダ最西端の州であること
ユニオン・ジャックと王冠、波と太陽を組み合わせた、太平洋岸の州の旗です。
「大英帝国に沈む太陽?」 ── 慌てて反転した旗
ブリティッシュコロンビア旗の、最も面白い逸話を見ていきます。
最初は太陽が上だった
1896年、聖職者アーサー・ジョン・ビーンランズが紋章をデザインしました。最初の案では、ユニオン・ジャックが下、太陽が上にありました。
「日の沈む帝国」と受け取られた
ところが、ここで問題が起こります。イギリスの紋章官に承認を求めたところ、彼らは愕然としました。このデザインは「大英帝国に沈む太陽」と解釈できてしまうというのです。当時「太陽の沈まない帝国」と言われたイギリスにとって、これは縁起の悪いものでした。
慌てて上下反転
そこでデザインを反転させ、ユニオン・ジャックを上、太陽を下にしました。これが今日の旗です。
帝国に太陽が沈むと言われて、慌てて上下をひっくり返した。旗にまつわる、愉快な失敗談です。
「沈まぬ栄光」 ── 州のモットー
ブリティッシュコロンビア旗の太陽には、もう一つの意味があります。太陽は、ブリティッシュコロンビアがカナダ最西端の州であることを表しています。そして州のモットーは「Splendor sine occasu(沈むことなき栄光)」。
最西端の、太陽が沈む地でありながら「沈まぬ栄光」を掲げる。洒落た対比です。
1906年・1960年 ── 旗の制定
ブリティッシュコロンビア旗の制定の歴史です。1906年3月31日の王室令で、ユニオン・ジャックを上、波と太陽を下にし、ユニオン・ジャックの中央に王冠を加えました。そして1960年6月20日、これが州旗として正式に制定されました。
ブリティッシュコロンビアという地域
ブリティッシュコロンビアの基本情報です。
- 正式名:ブリティッシュコロンビア州(British Columbia、BC)
- 州都:ビクトリア(Victoria)、最大都市はバンクーバー
- 面積:約94.5万km²
- 人口:約520万人
- 公用語:英語
- 法的地位:カナダの州
「太平洋岸の州」
ブリティッシュコロンビアは、カナダ最西端の州です。太平洋に面し、東はロッキー山脈に接します。アメリカのワシントン州やオレゴンと同じ、太平洋岸北西部にあります。
「山と海とサーモン」
雄大な山々、太平洋、森、そしてサーモン。豊かな自然に恵まれた州です。バンクーバーは2010年冬季オリンピックを開催しました。
まとめ:沈む太陽と慌てた反転、ブリティッシュコロンビア
今回のブリティッシュコロンビア旗のまとめです。
- 上にユニオン・ジャックと王冠、下に波打つ白4本・青3本の線と金色の太陽
- ユニオン・ジャックはイギリスの遺産、王冠は王領植民地、波は太平洋とロッキーの間、沈む太陽は最西端
- 1896年、聖職者ビーンランズがデザインし、最初は太陽が上・ユニオン・ジャックが下だった
- イギリスの紋章官が「大英帝国に沈む太陽」と解釈できると愕然とし、上下を反転
- 「太陽の沈まない帝国」には縁起が悪いと、慌てて直した
- 太陽は最西端の州を表し、モットーは「Splendor sine occasu(沈むことなき栄光)」
- 1906年の王室令でユニオン・ジャックを上にし王冠を追加、1960年に州旗として正式制定
- カナダ最西端、太平洋岸(アメリカのワシントン州・オレゴンと同じ太平洋岸北西部)
- 山と海とサーモン、バンクーバー(2010年冬季五輪)
- 面積約94.5万km²、人口約520万人、州都ビクトリア
帝国に沈む太陽と言われて、慌てて反転した旗。ブリティッシュコロンビアの旗は、最西端の地でなお「沈まぬ栄光」を掲げる、ちょっと愉快な逸話を持つ1枚です。